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六月燈の由来


 六月燈(灯)とは、鹿児島県内一円で7月(旧暦6月)に行われる夏祭りで、神社や寺院でそれぞれ日を定め行われ、参道や境内に人々が灯籠を持ち寄って奉納する行事です。

「ロッガッドー」の呼び名で県民に親しまれています。夜店が並び、賑やかで楽しいお祭りで、鹿児島では夏の風物詩とも言える年間行事です。

7月に行われるのに呼び方が6月なのは、旧暦での呼称のためです。鹿児島でもそうですが、七夕(たなばた)を8月に行う地域があるのと同じです。全くの旧暦ではなく一月遅れの日に行うやり方が多いようです。

六月燈の由来は、島津19代藩主光久(1638年〜1687年)が上山寺新照院の観音様のお堂を造立して参詣した折、たくさんの灯籠をつけさせたので、それを見た家臣や領民たちが、藩主に習って各地の神社や観音堂に灯籠を奉納したのが始まりといいます。島津光久は仙巌園を作った殿様でもあります。

また、それ以前からも疫病払いや虫追いを兼ねて灯明をささげる風習があったことが知られているとの由です。

古来日本では、仏像をもって神体とする神社があるなど神仏習合の傾向がありましたので、寺院で始まった灯籠の奉納が神社に広まっていったのは自然なことであったと思われます。

明治の神仏分離令により、薩摩藩では徹底的に廃仏毀釈を断行し、数年間は藩内に一つの寺院もなく一人の僧侶も見られなかったといいます。現在六月燈の風習が寺院にそれほど多く見られないのは、吹き荒れた廃仏毀釈の嵐が今の時代にも影響を及ぼしているのかもしれません。

 枕崎市内でも、7月に入ると多くの神社で六月燈が行われます。
 夜店が出て、音楽などの賑やかな出し物が催されたりする所もあれば、地域の子供が灯籠を奉納してお参りをするような昔ながらの素朴な所もあるようです。

 夏の夜、近くの神社で六月燈をやってたらフラッとのぞきに行ってみてはどうでしょう。
 きっと新たな発見があると思いますよ。


                                                           2009年6月 shusen

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